2012年3月11日日曜日

ゲームの達人/シドニー・シェルダン・著

2010年10月2日
 原題 The master of the game/
 確かに、おもしろいのだが、ようするに、2つか3つの話をくっつけた感じだ。
 1880年代。スコットランドに生まれたジェミー・マクレガーは16歳の時、一攫千金を夢見て、ダイヤモンドラッシュに沸く南アフリカに単身旅立つ。そこでバンダミヤという人物に会い、だまされて無一文となる。復習を誓ったジェミーはバンダと協力して、ダイヤモンド原石を大量に手に入れ成金となり、バンダミヤを追い詰めていく。その復習の過程として、バンダミヤの娘マーガレットに近づき、妊娠させ、バンダミヤを精神的に追い詰めていく。一方、マーガレットはジェミーを本気で好きになり、結婚し、長男を夫と同じ名のジェミーとし、長女ケイトを出産する。
 今や南アフリカで1,2を争う巨大企業になったジェミーの会社だが、従業員の反乱にあい、長男ジェミーを誘拐され、殺害されてしまう。そのショックでジェミーは病気になり、他界、残されたマーガレットは、娘ケイトを生きる喜びとしながら、亡き夫の片腕であるデビッド・ブラックウェルと共にさらに会社を成長させていく。
 ケイトは成長し、天賦の商才を発揮するが、気が強く度々母マーガレットを困らせた。そんな中マーガレットは病に倒れ、他界、ケイトはデビッドと二人で会社を切り盛りし、やがてデビッドと結婚、ケイト・ブラックウェルとなる。ケイトは長男トニーを出産する。トニーは優しい子だったが、母の期待を一心に背負うあまり、精神的にまいってしまい、母なしの人生を生きようと画家を志す。ケイトの夫であるデビッドは現場の落盤事故で死亡。ケイトはゆくゆく長男に自分の会社を継いでもらいたいために、画家の道をあきらめさせ、トニーにわからないように、ケイトの思ったとおりの女性を、さも偶然を装わせ、結婚にこぎつけさせる。そんな計画を知ってしまったトニーは怒り、母ケイトを殺そうとし、自分もショックで精神に異常をきたしてしまう。
 ケイトは何とか重症から立ち直った。また、トニーの妻は、双子の女児を出産後、死亡、トニーは永久に精神病院からでられず、ケイトと孫のイブ、アレクサンドラが実質の会社や資産を相続することとなった。
 イブは強欲でわがまま、妹のアレクサンドラがいなければ、祖母からの愛と全財産が自分のものとなることを知って、何かと、妹の殺害を企てる。また、無類の男好きで学生時代学校の半数と関係を持ち、あまりの乱れた生活ぶりに退学となってしまう。それをすべて妹のせいにしていたが、ある日とうとうケイトの知るところとなる。
 激怒したケイトはイブを勘当し、二度とブラックウェル家に近づかないように宣言する。それを聞き、イブは激怒、必ず、憎い祖母と妹に復習をすると誓う。
 イブは、旅先で知り合った危険な男ジョージ・マルスを使い、アレクサンドラを誘惑させて、結婚し、ケイトとアレクサンドラを殺害し、相続権を奪う計画を立て、実行に移す。
ところが、殺害実行直前にケイトが勘違いからイブを許すこととなり、逆にジョージが邪魔になり、イブがジョージを殺害する。
一方、殺害前に受けたジョージからの殴打によって著しく顔面を傷つけられたイブは、天才外科医キースによって、奇跡的な整形手術を施される。きれいに元に戻った顔でいつものように男遊びにふけりながら、ケイトとアレクサンドラの殺害を計画しなおしていたところ、キースの独占欲のために、イブの顔は醜く整形されなおされてしまう。さえないキースを嫌っていたイブだが、逆にキースがいないと顔を治してもらえず、また心変わりをおこされると、一生治してもらえないために、従順な妻となる。こうして、イブへの鉄槌は下された。
ラストシーンはケイトの90歳の誕生日を豪勢に盛大に開いている場面。まだまだケイトの商才は衰えず、といったシチュエーション。
題名の「ゲームの達人」とは、ビジネスは夢をかなえるゲームのようなもの、と言ったケイトの言葉からなる。

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