2012年3月25日日曜日

34丁目の奇跡/ヴァレンタイン・デイヴィス・著

2011年12月16日
原題Miracle on 34th street /Valentine Davies
比較的字も大きく、本も薄く、子供にもわかるような文体に翻訳されているこの本だが、伝えたい中身は本物。不覚にも涙がにじんでしまった良書です。
ニューヨークの老人ホームで暮らすクリス・クリングル老人は、自分をサンタクロースだと言って憚らない。確かに風貌は彼をおいて他にいないほど、サンタクロースにそっくりではあった。まわりの大人達は気が良く優しいが、少し頭がいかれた老人と思っていた。しかし、彼の慈愛に満ちた笑顔と言動が次第に人々の心を開放させ、今やニューヨーク中でお互いに思いやる気持ちが満ち満ちていた。しかし、クリングルを快く思わない超現実主義者たちは、彼を精神病院送りにしてしまう。そんな中、一人の若手弁護士がクリングルを救出するために、彼が本物のサンタクロースかどうかを争う裁判を起こす。裁判は圧倒的にクリングルに不利かと思われたが、ほぼ全ての民衆が味方についており、最後はニューヨーク中から届けられた、彼宛ての手紙がまさにサンタクロース宛てであったことから裁判は勝利に終わる。大意は以上だが、その他にもほろっとさせられる、ハートウォームなエピソードがちりばめられており、是非とも1冊持っていたい本と感じさせてくれた。

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