2012年3月4日日曜日

幻夢展示館/山村正夫・著

2010年1月16日(土)
著者自身による自選短編集。6話収録。
いわゆる「霊・おばけ」物ではなく、人間の狂気・性などを扱い、作風は少々グロに仕上がっている。
霊能者の怒りを買い、翌日から自分で自身の顔を見れなくなるばかりでなく、徐々に顔が崩れていく恐怖を描いた「失われた顔」。似たような作風で、肉体は死んでいるのに、意識ははっきりしており、まるでゾンビ状態になった男の話。体はどんどん腐敗していくのに、意識はしっかりしており、自分を殺した相手を追い詰めていく「死を弄ぶ男」など。平成元年出版ながら、作品中の言い回しが少し古く、その辺は昭和6年生まれの山村先生ならでは。

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